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Report 「Workshop &CYCLE #5」 Part.01 夏の終わりと江戸切子 ~導入&ルート編~

守るべき、風物と環境

この10年ほどの間で、自転車は移動のツールとして一般的なものとなってきました。それまではスポーツを目的としたプロユースか、ごく限られた距離(通学や通勤など)での使用に留まっていたと考えられます。この転換に影響したひとつが、自転車そのもののラインナップが拡大していったこと。プロ仕様のロードバイクの設計、コンセプトを活かしたスポーティなシティサイクルなど、一般の人でも速く走れる自転車が多く登場したことが大きな要因と言えます。

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スタート前のブリーフィング。マップを元にルートを確認します。今回の参加者は8名。

 

もうひとつの影響は、自動車をはじめとする内燃機関をもつ乗り物が与える、地球に対する害。つまり、ガソリンを燃やしCO2を排出することへの嫌悪感だと言えるかもしれません。もちろん電気や水素を動力とする自動車が生まれるなど、その問題に対する解決策は少しずつ生まれていますが、気軽で、エコで運動にも役立つ自転車に(少なくとも都市間の移動については)軍配が上がっているのではないでしょうか。

 

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聖徳記念絵画館にてサドルなどの調整。スポーツバイクに不慣れな方には乗り方の指導をします。

 

RATIO &Cで行っているライドイベントは、主に東京の下町を舞台としています。次から次へと建設される高層ビル。数年後に開催される東京オリンピックに向けて急ピッチで進められている整備。全国各地から上京した人たちが行き来し、毎日のように表情を変えていく都心に対して下町は数十年前から同じ建物が並び、同じ人あるいはその家族が生活を営み、その土地ならでは風物、文化と共に暮らしています。

 

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皆が列を乱さず、安心してついていけるように、ゆっくりとしたスピードで進んでいきます。

 

自転車を駆りアーバンからローカルへと続く道を辿ることで、季節の風を受けながら東京の今昔を知る。このライドイベントを通じて守るべき東京の姿と環境を肌で感じて欲しい。少々言い過ぎかもしれませんが、そんな若干硬めなメッセージを前置きとしまして、ここから先は具体的なレポートに移っていきます。

 

緑あふれる、学生の街

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都会のなかに豊かな自然が現れるところが、東京という街の特徴です。

 

「Workshop & CYCLE」の第5回目が開催されたのは9月の中旬、大型の台風が何度も過ぎ去ると共に猛烈な残暑も抜け、心地よく涼しい風が吹きはじめた初秋です。参加人数は4人の先導役などを含めると14人の大所帯となりました。北上しながらまずは目指すのは浅草に位置する江戸切子工房「浅草おじま」。そこで体験をすることが今回のメインイベントです。行き帰りを合わせておよそ20km強のコース。目的地までのルートは大学が所々に点在する四ツ谷、市ヶ谷、飯田橋、上野を通って行きます。

 

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東京大学農学部キャンパスの入り口。立派な木製の門を通り、校内へと入っていきます。

 

大半の大学が建てられるのは緑が豊富にある土地。東京は都心の真ん中、例えば渋谷や原宿といった繁華街から少し離れると、たくさんの緑が植えられた、穏やかな雰囲気が漂う住みやすい街づくりがなされています。一方、地方の大学の場合は都市エリアが狭いというのと、東京のような整備が施されていないので郊外に建てられることの方が多いそう。そんな学生街を横目に前へと進んでいきます。

 

 

次第に疲れが見えはじめた頃、最初の休憩ポイントを、東京大学農学部キャンパスの奥にあるレストラン「アブルボア」で取ることに。農学部ならではのユニークな内装と、どこか懐かしいランチメニューに、ほっとした表情の参加者。次回のレポートでは、賑やかなランチタイムの様子と、おすすめ寄り道スポットをレポートします。